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お題は『WORT』から
【駿河桔梗から一言】
茂くんと山口くんと松岡くんです。
テーマは『誠実』です。
どういう話にしようか?はテ-マが決まってからすぐには思い付きませんでした。思い付いたとしても、上手く形にはならず、いろいろ考えてしまいました。
“誠実”と“嘘”は意味的には、=(イコール)にならないはずなのですが、そこはあえてコレで書いてみました。
茂くんHappy birthday♪
(11/11/17UP)
79.必要な嘘
山口と松岡は、部屋で城島を待っていた。
お互いにお茶を飲んだり喋ったりと時間を潰しているが、なかなか城島は現れない。
約束の時間は、とうに過ぎている。
そういう事に関して厳しい城島にしては珍しいなぁ…と山口も松岡も思っていた時にドアが開いた。
「スマンなぁ、遅くなってしもうて!」
少し息を切らした城島が入ってきた。
「遅かったね?」
「おん。今回の事について、まぁ、いろいろな…」
「「??」」
頭の上に、はてなマークが飛んでいるような顔の山口と松岡を見て、城島の顔がほころぶ。
城島は手に持っていた書類を二人に渡す。
「特に難しくないんやけどなぁ…体力勝負やねん」
山口と松岡は書類に目を通す。
確かに左程、難しくなさそうだ。
「だから、これは山口と松岡の二人でやって欲しいねん」
「ふ~ん。茂くんは?」
「僕は…邪魔になるから二人にまかして、自分にしか出来ない事をしろって言われてもうた」
城島は諦めたような口調と笑みをした。
「茂くんにしか出来ない事って?」
「……報告書とか?」
「「あぁー」」
ここ最近、珍しく仕事が続き、提出しなきゃいけない書類が溜まっていた。
山口と松岡は“邪魔になる”という言葉に顔をしかめてたが、書類関連は確かに城島にしか出来ない事なので、少し納得した。
「まぁ、僕が言っても確かに邪魔になるやろうし、溜まっている書類もどうにかせなあかんしな。二人にまかせるわ」
「了解。行くぞ、松岡」
「うん。じゃあ、行ってくる。ご飯、ちゃんと食べてよ、茂くん!」
「おん。気ィ付けてな」
「茂くんもね」
「??山口?」
「じゃあ、行ってきます」
山口は城島にそう言い、松岡も続いて「行ってきます」と言い、部屋から出て行く。
「いってらっしゃい」
城島はそれを笑顔で見送った。