６１．個性と無個性

「今日は暖かいなぁ」
「そうだね。外に出ると肌寒かったりするんだけどね」
「気温は低いからなぁ。だけど、ここ数日は天気も良くなかったし、気温もいつも以上に低かったからなぁ」
「あ～、あの数日は寒かったね」
「そやなぁ。あれはビックリやったなぁ」
「何、縁側で茶をすすりながら日向ぼっこしてるじーちゃんばーちゃんやってんの?!仕事は?!!ちゃんとやりなよ!!やろうよ!!」
「松岡、落ち着け」
「兄ィ!!」
「だから落ち着けって」
「せやで。ココは良くも悪くも特殊部隊なんよ。仕事がない時なんて多々あるんよ」
「そう×2。今は、その時なんだ。やる事なんてないんだよ」
「う…うん」
「休める時に休めば良いんよ。だから、松岡ものんびりしようや」
「…分かった。じゃあ、これだけ出してくる」

「…。山口も気付いてたんや」
「まぁ、長い付き合いだからね」
「せやな。松岡は優しくて真面目な子やから変に気になってしもうたんやろうなぁ」
「気にしなきゃいいのにな」
「そうもいかへんのやろ、松岡は」
「茂くんもね」
「ん？」
「茂くんも変な所を気にし過ぎだから」
「…」
「気付いてないと思ってた？甘いよ。松岡みたいに分かりやすい訳じゃないけど、茂くんも分かるよ」
「肝に銘じておくわ…」
「そうして」
「…ホンマに山口には敵わへんわ～」