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お題は『WORT』から
【駿河桔梗から一言】
山口くんと太一くんです。
どんな話にしようか?と思っても全く思い付かなくて、なんとか思い付きました。
前に山口くんと太一くんの話を書きましたが、それは昔の時だったので、『“今の時”で書いてみよう!!』と思い、書いてみました。
山口くんHappy birthday♪
(12/01/10UP)
64.狐の嫁入り
空は青く日が照っているのに、雨がぱらぱらと降ってくるのは少し不思議な感じだと山口は思い、空を見上げていた。
山口は笑みを浮かべ、
「こういうのを見れると、得をした気分にならねぇか?太一」
そう言った。
「そんなのんびりしてて良いの?山口くん」
そう言いながら、生い茂っている樹木の中から太一が姿を現す。
「ココ一応、敵軍(コッチ)の領地なんだよ。分かってるんでしょ?」
「分かってるって。久し振りだな、太一」
本当に分かっているのか?と疑問を持ってしまう程、山口は笑いながら太一に話しかける。山口の強さを理解している太一は、その事に関してそれ以上は言わず、軽く溜息をつきつつ、「久し振り」と答えた。
「それで、何で態々こんな所まで来たの?」
「ん?前に茂くんと会っただろ。だから、俺も会おうと思ってさ」
「…あの人と会ったのは偶然だし、何年前の事でしょ」
「細かい事は気にすんな。“思い立ったら吉日”だろ!」
「…相変わらずだね、山口くん」
会話は終わり、雨が降ってくる音が聞こえてきそうだった。
二人は、その風景を見ていた。
どれくらいたったか?分からないが、そんなに時間は経っていないだろう。
太一がふと口を開いた。
「“狐の嫁入り”って、夜、狐美が連なって嫁入り行列の提灯のように見えるものの意味もあるんだって」
「へぇ~。それは茂くん?」
「そう。あの人、変な知識だけはいっぱい持ってるよね」
山口は太一の言い草が面白かったらしく笑った。
「流石にやばいだろうから帰るわ」
「うん」
「そうだ。今度、太一と長瀬に紹介したい奴がいんだよ」
「松岡って人?」
「あっ、そっか!太一は松岡に会った事があったか」
「うん、まぁ…」
「あいつは良い奴だぜ。太一も長瀬も気に入ると思うよ」
そう言うと、山口は自分の場所へと戻って行った。
それを少し見送り、太一も自分の場所へと戻って行った。
空は何時の間にか夕暮れになり、日がかなり落ちていた。
雨も止んでいた。