創作100題
お題は『WORT』から

【駿河桔梗から一言】
茂くん以外の4人の誰かです。
この小説を書いた時が少し前で、今の時季はこんな天気が多いのではないのかな？と思います。
捉え方は人其々…というような話です。(汗)
(11/06/20UP)

７５．一枚の絵

空は雲に覆われていて、雨が降りそうで降らなそうな天気だった。
昨日まで晴れていて、気温も高かったのに――。
こういう天気は、何とも言えない。
雨は降るような気配はないが、あまり遠出とかはしたくない。
もういっその事、雨が降れば良いのに…と思ってしまう。
そうしたら、あの人は…

『僕は結構好きやで』

と、言った。
あの人が言うには、過ごしやすい天気らしい。
気温は高過ぎず、低過ぎずで、吹く風がほんの少し湿っけがあって何か気持ちが良い。空は雲で覆われているけど、圧迫感がなく、時々、太陽の光が見えると、嬉しくなる。
あの人はニコニコ笑いながら俺に言った。
あの人の捉え方は俺にはなかった事で、その時は上手く反応が出来なかった。
でも、少し時間が経って、“成程”って思った。
そういう風に言えるあの人は凄いなと少し感心した。
そういう風に、この天気の事を感じれると、確かに良い天気なのかもしれない。