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駿河桔梗の完全個人趣味ブログです。
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創作100題
お題は『WORT』から

【旧・No-Changesから抜粋】
この話はちょっと前に思い付いた話だったと思います。
自分の前世って何だろう?って思ったことありません?
多分、「オーラの泉」を見た時にこの話を思い付いたんだと思うんです。
(06/02/26UP)


60.飛べない鳥

「ねぇ×2、太一くん。前世ってなんだったと思います?」
長瀬が帰ってきて、そんな事を言った。
「はぁ?何、言ってんの?」
「ですから、前世ってなんだったと思います?」
最後に音符がついてそうなくらいにワクワクした感じで俺を見ている。
「・・・お前は、ゼッテェ犬だな」
「何でですか!?」
「お前を見て、そのまま言っただけだぞ、俺は」
「そんな事ないッスよ!あっ!でも、犬だったら茂くん達にかわいがってくれるか。でも、お話が出来ないのがいやだな~、う~ん」
犬だと良いか悪いか真剣に考えてる。
俺はそれを呆れながら見ている。

・・・あれっ?

「お前、何でそこに茂くん達がでてくんだ?」
「えっ?だって、俺、茂くん達と前世も一緒だったと思うんです!!」
当然!っていう感じで言う長瀬。
ある意味、お前は凄いよ。
「太一くんも思わない?俺は思うよ。
前世も皆と一緒でこれからも皆さんと一緒です♪」
「俺は別に思わない」
そう言うと、長瀬は悲しい顔になり、俺を見る。
「ばーか。ンな顔すんな!」
長瀬の頭を撫でてやると、嬉しそうな顔に変わる。

そう。嫌じゃない。
前世も そして、 これからも一緒にいれる。
だけど、未来永劫なんていらない。
今 この時、 あの人達が幸せならいい。
笑っていてくれるなら、それでいい。

「駄目だよ、太一くん!」
「・・・はっ?」
「俺だって、茂くん達に笑っていて欲しいし、幸せになって欲しいよ!でも、太一くんにも笑っていて欲しいんだから!!」
「何言ってんだよ、お前」
「自分が不幸になって、茂くん達が幸せになったって、茂くん達は絶対嬉しくないんですよ!!」
なんで、こいつ、俺が思っていた事を・・・。
「・・・分かったよ」
そう言うと、また、ニパッという感じで笑った長瀬。

・・・お前。やっぱ、前世は犬だな。

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