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創作100題
お題は『WORT』から
【旧・No-Changesから抜粋】
この話は前に書いた話で、でも、その時はまだ時季じゃなかったから、夏になったらUPしようと思っていたヤツです。
最終的に時季が少し外れてしまいましたね・・・。(^ ^;)
(06/09/05UP)
8.自覚と無自覚
「あ・・・兄ィ。なんで俺ら、こんな所にいんの?」
「そ・・・そんなの仕事でだろ」
「そうだけどさ・・・なんで・・・
棚とかが浮いてんのよーーーッ!!」
「・・・・・・・・・」
俺達の前には部屋中にある物が全て浮かんでいる光景がある。
「ありえないでしょーーが!!なんで、食器ならまだしも棚やソファまで浮いてんのよッ!!そういうのは、重力で静かに床と仲良くくっついていてよね!!」
「これが、ポルターガイストかぁ。初めて見たわぁ」
「なんで、あんたはそんなに落ち着いてんのよ!
兄ィもなんか言ってよ。----というか、特殊部隊って、こういう仕事もしてるの?」
「いや、しとらん」
「じゃあ、なんで・・・」
「おもしろそうやったから」
「そ・・・それだけかよ!!」
「おん」
「・・・あなたって・・・」
「まぁ、しかたがないやん。受けてしもうたんやから」
「・・・そうだね。松岡、あきらめろ」
「そんな~」
「んで、隊長さん。何か対策はあるんですか?」
「う~ん、どうしようなぁ。
とりあえず・・・」
「「松岡、よけぃ(よけろ)」」
「えっ?・・・おわっ」
でかいわりには俊敏な故、ギリギリで本をよける松岡。
「山口」
「はいよ」
茂くんや松岡、そして俺はこっちにむかってくる物をよけ続ける。
「・・・なんか、あきてもうたなぁ」
俺と松岡が顔を見合わせていた瞬間、ドスン!!!と大きい音が聞こえた。
顔を正面にむけたら、そこには、茂くんの背中と何事もなかったかのように降りている棚やソファなどが目に入った。
「さて、帰ろっか♪」
茂くんは笑顔でそう言った。
「「茂くん」」
「ん?」
「あれ、どうやったの?」
「あれっ?」
「だから、あのポルターガイストって言うの?!あれをどうやって解決させたのか聞いてんの!!」
「あぁ、あれな!」
「そう、それ!!」
「特に何もしてへんよ。ただ「あかんよ」って言っただけやで」
「「・・・」」
「でも、ええ子達で良かったわぁ」
「「・・・」」
「どないしたん、二人とも??」
「「い・・・いや、別に」」
この世にはいろいろ怖いものはある。
でも、目には見えないモノ達を一言で静止させるこの人が一番怖いのではないかと、この時、俺と松岡は悟った。