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【投稿時の一言】
祭り初参加の駿河桔梗です。
この話は、「DASH!!」の「缶蹴り」や「水鉄砲」時のTOKIOの連携プレイを思い出して書きました。
あの連携プレイは、本当に凄いなぁって思ってしまうんです。
そして、最初は、茂くんはこういう設定ではなかったんです。
泥棒とかそういうのは関係ない一般人(病弱とか??)で、4人と不思議な関係になってもらおうと思っていたんです。
それが突如、敵対関係の警察の位置という設定が降ってきまして…それはそれで面白そうだと思い、こうなりました。
茂くん独りだけだと何か悲しいので、トニセンの3人を一緒にしました!!(でも、部下じゃないんです)
こんな駿河の作品ですが、少しでも楽しんで下されば嬉しいです。宜しくお願いします。
【駿河桔梗から一言】
私にしては長めな話だと思いますし、こんな話を自分が書くとは思いもしませんでした。
この設定での話は思い付けたら、また書いてみたいですネ…。(思い付いたら…。/汗)
(11/02/26投稿・12/04/26UP)
≪invader - Episode.0 -≫
西暦2×××年。
街は高層ビルが建ち並び、街灯は煌びやかに光っている。
そんな風景を街の中でも一番高いビルの屋上から見下ろしている男がいる。
「ヤマグチくん」
風景を見下ろしている男は声を掛けられ、振り返った。
「ヤマグチくん、もうそろそろだよ」
「おう。タイチ、配置はどうなった?」
「うん。ナガセもマツオカも変装して、配置に着いたよ」
「そっか…よし!行くぞ!」
「うん」
ヤマグチという男とタイチという男は屋上から飛び降りた。
ヤマグチ・タイチ・マツオカ・ナガセという男達は【Broken Piece】という泥棒集団である。
【Broken Piece】はとても有名な存在で、それぞれが類稀な才能を持っている。
だが、何よりも連携プレイが凄い。
今回も厳重配置の警察達が囲っている建物にある物を盗み出す予定だ。
ヤマグチ・タイチはその建物から少し離れた場所で、建物の見取り図を見ながら作戦を確認している。
「ナガセとマツオカは、ココとココにいるみたい」
ナガセとマツオカはそれぞれ変装を得意としている。今回は警察に変装して建物の中にいるみたいだ。
「じゃあ、タイチはココから、俺はココから侵入するぞ」
「了解」
「ナガセ。マツオカ。聞こえているか?」
『『聞こえているよ(います)』』
【Broken Piece】は小型のインカムで連絡を取り合っている。
「それじゃあ、俺とタイチが配置に着いたら連絡する」
『『了解(です)!!』』
さて、今回は何を盗み出すのでしょうか?
≪invader - Episode.1 -≫
自分でもこんなミスをするとは思ってもいなかった。
今回も盗む事は成功したが、その後に警察達に追いかけられた俺達は、四方に分かれた。
俺は警察を撒き、屋根の上を歩いていた。
安堵してしまったのだろう。
俺は足を踏み外し、屋根の上から落ちた。
かろうじて、木があったから大きな怪我はしなかった。
溜息を一つして、前を向くと…そこには一人の男がいた。
男は目を見開いて、ぽかんとしている。
俺は俺で、動く事も出来ずに只、目の前にいる男を見ていた。
(どうしよう…??)
嫌な汗が出てきた。
「シゲル様!!」
男の名前なのだろう。
男は名前を呼ばれ、はっとした。
(ヤベッ!!本当にどうしよう…)
俺は焦ってしまい、上手く頭が回らない。
そんな俺に男は笑いかけ、人差し指を口に当てる。
(えっ??)
「静かにしててな」
そう俺に声をかけた。
俺はすぐには反応が出来なかったが、男に向かってうなずいた。
男はテラスから部屋に入り、カーテンを閉めた。
部屋のドアの向こう側では、反応がないのを心配しているのか?名前を呼び続けている。
部屋のドアが開き、名前を呼び続けていた人間とシゲルと呼ばれた男が何か話しているっぽい。
俺は少しでも隠れる様にし、声を殺していた。
数分もたっていないのだろうけど、何時間にも感じた。
やっと話が終ったらしく、シゲルという男がまたテラスに出てきて、俺にこう言った。
「部屋に入り」
「…はっ??」
「これから庭を見回りするのが通るやろうから、はよぅ部屋に入り」
俺は話に付いていけなかったが、ココにいるのはヤバいというのは分かり、木からテラスにジャンプした。
俺はシゲルという男を見た。
年齢は俺より上だろう。背も少し俺より上だけど、体躯は細い。
男はニコッと笑い、部屋に入っていく。
俺はそれに付いて行き、部屋に入る。
「驚いたわ~。空から自分、落ちてくるんやもん」
男には緊張感とか不信感とかそういうモノはないのだろうか。
俺が言うのも何だけど、こんな得体の知れない男なんかを部屋に簡単に入れてしまって…。
そんな風に考えている俺には気付かず、男は棚から箱を出した。
「こっちに座ってくれへん?」
男は俺に椅子を勧めた。
「何で?」
「自分、怪我してるやん」
そう言って、男は腕を指した。俺は自分の腕を見たら、確かに怪我していた。だけど…
「いいよ。大した怪我じゃないし」
「あかん!化膿したらどないすんねん!!」
男は自分の事の様に怒った。それに俺は驚き、仕方がなく椅子に座った。
それに満足したらしく、男は手当をし始めた。
「…なぁ、アンタさ」
「ん~?」
「もう少し、警戒した方が良いんじゃないの?」
「…何でや?」
「何で?って、俺、どう見ても不審者じゃん」
「自分で言うかぁ、普通」
「うるせぇ」
「…そうやね~。僕、結構、人を見る目はある方やと思うんやけど…それに僕、嬉しいねん」
「嬉しい?!」
「おん。僕、こうやって人と話す事があまりないんねん」
「…」
「一応、ココにはマサにヒロにイノがいてくれるんやけど、仕事柄、どうしても敬語が多くてな…」
「…そっ」
だからって、こんな見ず知らずの男を部屋に招き入れ…手当をして…嬉しそうに話をしているのはどうなのだろうか…。
「出来たで」
手当てが終ったらしい。
決して上手いとは言えない手当てだけど…
「…ありがとう」
「どういたしまして」
この男はどこまでニコニコと笑っているのだろう。
俺は変な居心地の悪さがあり、そそくさと入ってきたテラスに向かった。
「帰るん?」
「あぁ。ココにいる訳いかないし」
「そやな。気ィ付けてな」
「……アンタ、やっぱ警戒した方が良いと思うよ」
「そうか??」
俺は男に対して呆れた顔をしているだろうな。
俺はテラスから今度は木に飛び移り、部屋を後にした。
≪invader - Episode.2 -≫
「…宜しかったのですか?」
「ん?マサか」
「はい。勝手に入ってしまいまして申し訳ございません」
「えぇよ。そんな事」
「それで、宜しかったのですか?あの者を帰してしまって…あの者は【Broken Piece】のヤマグチですよね?」
「そや」
「警察幹部である貴方様が逃してしまって「なぁ、マサ…」はい」
「確かに【Broken Piece】は泥棒やし悪者かもしれへん。でも、善者ぶって悪い事をしてるヤツラより僕は…僕はやり方を間違っていても、あいつらの方がマシやと思うんよ」
「…シゲル様」
「それにあいつらのおかげで、警察(ソシキ)を掃除する事が出来るんやし…一番の悪者は僕かもしれへんなぁ」
「シゲル様!!そんな事は!!」
「うん…ありがとう、マサ」
「…シゲルくん」
「懐かしいな、そうやってマサに呼んでもらうのは♪」
「…ッ!!申し訳ございません」
「えぇのに…真面目やなぁ」
「揶揄わないで下さい…」
出来れば、こういう出会い方をしたくなかったなぁ。
今度会う時はきっと、敵として認識されるんやろうなぁ。
それは、何か悲しいなぁ。
僕はあいつらを利用している。
それも知られたくないんやけど…。
なぁ、こんな僕を軽蔑するか…裏切られたとか思うん…それとも、僕の事は何とも思わへん…かな。