駿河桔梗の完全個人趣味ブログです。
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創作100題
お題は『WORT』から
【駿河桔梗から一言】
茂くんと太一くんです。
『021.砂時計』と同じ時間帯の話です。
本当は書く予定はなかったのですが、上手く『021.砂時計』で書けなかった部分を書きたくて、急遽思い付いた話です。
書きたかったのは、「雨と金木犀」です。大した事ではないのですが、一応テーマみたいなモノなので…。(大汗)
(11/10/14UP)
お題は『WORT』から
【駿河桔梗から一言】
茂くんと太一くんです。
『021.砂時計』と同じ時間帯の話です。
本当は書く予定はなかったのですが、上手く『021.砂時計』で書けなかった部分を書きたくて、急遽思い付いた話です。
書きたかったのは、「雨と金木犀」です。大した事ではないのですが、一応テーマみたいなモノなので…。(大汗)
(11/10/14UP)
41.泡沫の夢
(はぁ~、やっと終わった…)
僕は無駄に長い会議から解放された。
早く自分の部屋に戻って、お茶が飲みたい…と思っていても、身体には気力がなく、ゆっくり歩いていた。
今日は雨で、朝からずっと降っている。
僕は立ち止まり、眺めていた。
雨は音を立てる事もなく、静かに落ちていく。
その雨の中から、金木犀の匂いがした。
金木犀の匂いは強いけど、雨の中では抑えられて、微かに感じるぐらいだった。
これぐらいがちょうどえぇかも…と思った。
「そんな所にいたら、風邪ひくんじゃないの?」
ぼーっとして、雨が眺めていたら、声が聞こえた。
「…屋根があるから大丈夫やで」
「それでも、ずっといたら風邪ひくでしょ!今日は気温低いんだから!!」
「心配症やなぁ、太一は」
眉間にシワを寄せていたのに、更に寄せる太一。
まだ子供なのに眼力あるなぁ…と、つくづく思ってしまう。
「何か用があるん?」
「長瀬がコッチに来てるはずなんだよ。前に長瀬がゲームを勝ち逃げしやがったから、やろうかと思って」
「ほな、一緒に行こうか」
太一から返事はなかった。
それでも僕が歩き出せば、太一も歩き出す。
ある一定の距離が開いている。
それは近くもなく、遠くもない。
互いの声は届く距離。
『…なぁ、太一』
『ぅん?』
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