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創作100題
お題は『WORT』から
【旧・No-Changesから抜粋】
結構前に思い付いた話です。
なかなか文が上手くまとまらなかったのですが、何だろう…。
こう太一くんと茂くんの微妙な感じの雰囲気が出てれば、嬉しいんですけど…(汗)。
(08/10/16UP)
45.ゲーム
「俺、あんたの事嫌い」
太一は時々、そんな事を急に言っていた。
「僕は太一の好きやで」
僕はその度にそう言っていた。
太一は釈然としない顔をしていた。
別に嘘はついてへん。
僕の素直な気持ちを言っただけや。
僕だって、人間や。
人の好き嫌いはあるやろうし、僕の事を嫌いな人だっているやろ。
万人に好かれたいなんて思わへん。
僕が好きな人達には、なるべく好きでいてくれる方が嬉しいんやけど…こういうのは、やっぱ難しいやろうから。
「俺、あんたの事嫌い」
俺は良くアナタにそんな事を言っていた。
「僕は太一の事好きやで」
その度にアナタはいつもの笑顔で簡単にそう言っていた。
俺が嫌いって言っているのに、何で笑っているんだヨ。
何で嫌いだって言っている人間に好きだって言えるんだヨ。
だから、俺はアナタが嫌いだヨ。
でも、アナタが好きだって言ってくれる事に安心していた自分もいた。そして、今もそうかもしれない。
アナタの言葉や笑顔が、時々思い出させられる。
その時に安心している自分がやっぱりいた。
そんな自分がムカつく。
やっぱり、俺は…
「あんたの事嫌い」
「僕は太一の事好きやで」